KEEP RUN DIARY

ランニングを続けるためのあらゆるコツについて日々考察する日記

人の挑戦を笑うな。

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「NEVER TOO LATE!遅すぎるチャレンジはない」。今から10年以上前、プロ野球デニー友利投手がメジャー挑戦を決めた時の記者会見での言葉。今となっては大好きな言葉だが、正直言って当時は共感できなかった。「その歳でメジャー?無理でしょ」と思った。
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あの頃の私は、ひと言でいうと卑屈な性格だった。ランニングなんてカッコ悪いと思っていたし、タバコは1日20本以上吸い、しょっちゅう明け方まで飲み歩く。今が楽しければ将来なんてどうでもいい。そんな悲観的なタイプだった。自分では独身生活を謳歌しているつもりだったが、今思えば常に体調が悪く、楽しんでいたというより苦しんでいた気がする。飲酒後のラーメンはもちろんセットだったし、「ラーメンを食べてから飲みに行けば飲み過ぎない」と訳の分からない説を唱えている頃もあった。こんな生活をほぼ毎日続けていたら、体重80キロ、体脂肪率30%を超えるのは必然。学生時代は60キロ程だったので古い友人に会うと驚かれたが「やっぱ歳取ると代謝落ちるね」と自虐気味に笑う始末。痩せる気なんてさらさらない。「昔は良かった」と言いながら遠い目をする典型的な中年おじさんまっしぐらだった。
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そんな私が、ひょんなことからランニングにハマり、ヒザの痛みを乗り越えて何とか日課にし、10キロ以上体重を落とすことができた。見た目の変化は年々老けてきているので正直どうでもいいが、日常生活のあらゆるシーンで体を動かす時や、重いモノを持ったりする時に、いちいち汗だくにならないしあまり疲れないようになった。感覚的なことなので説明するのは難しいが、「そういえば昔はこんな感じだったかも」と思う時があるのだ。自分の中での「あの頃の感覚」を少しだけ取り戻せたことが何よりうれしい。これからも自分自身を実験台にしながら、色々な変化を楽しんでいきたいと思う。
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そして、デニー投手が言った「NEVER TOO LATE」という言葉。今は心から共感できる。いくつになろうが夢を追いかけてチャレンジしている人を見ると、昔のように薄ら笑いを浮かべるのではなく、純粋に「応援したい」「自分も頑張ろう」と思えるようになった。私も歳を取ったからだろうか。いや、きっとそれだけではないはずだ。挑戦することへの不安や苦しさ、続けることの難しさが少しは分かるようになったのかもしれない。

住めば都。走れば地元。

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いつかの良く晴れた冬の日、いつもと同じように近所の川沿いを走っていたら、遠くに富士山が見えた。「このあたりからでも天気が良いと見えるんだ」と驚きつつ、なんだか得した気分になった。
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ほかにも、夕陽がきれいに見える見晴らしの良い場所を見つけたり、子どもを遊ばせたら喜びそうな公園を見つけたり、毎年どの木よりも立派に花を咲かせる桜の木を見つけたり、穴場らしきお店を見つけたり。
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走っていると、こんな小さな発見があるからおもしろい。同時に、自宅と仕事場の往復だけでは知ることができなかった街の良さに気づく。走ることで、今住んでいる街にだんだんと愛着が沸いてきている。
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今まで何度か引越しをしてきたけれど、ひとつ前に住んでいた街では走っていたから愛着があって、たまに「また行きたいな」と思い出す。では、さらに前に住んでいた街はどうか。飲み歩いてばかりだったので居酒屋やラーメン屋は多少知っているが、実はそこまで愛着がなかったりする。あの時も走っておけば良かったなと、今さらながら後悔している。

疲れをとるために走る。

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「走りの疲れは走って抜こう」という、ランニングインストラクター斉藤太郎さんの記事を読んだ。「疲れているからといって、ゆっくり走り続けるのではなく、全力ではないものの、ややペースアップして心地よい息苦しさで走る時間をランニング中に作ると、いつもより血流が激しくなることで体内に滞留していた疲労物質が吹き飛ぶ」という内容だ。

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読んだ瞬間「自分のことだ」と思った。いつも頑なまでにスローペースで走ることを大切にしていたけれど、確かにこれを続けていると疲労がたまってくるし、走り終えても「スカッとした」という充実感を得られなくなってくるのだ。だがここ数日で為末流のストレッチに出会い、いつもよりラクに走れるようになって、自分なりに少しはスピードが出せるようになった。すると、走り終えた後の爽快感が明らかに違う。この記事にあった「対極にある要素を入れることで疲労は抜ける」というのも今の自分と繋がった気がするし、他のストレッチ方法やLSDの取り入れ方なども大いに参考になった。
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もちろん、記事中でも極端に疲れている時は完全休養にすることを推奨しているけれど、「疲れをとるための走り方」をしっかりと理解していれば、長く走り続けることができる気がする。
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あ、なんだか偉そうにすみません。今までは「疲れるから走るのやめた」と言いながら妥協ばかりしていた自分が、急に真逆のことを言い出していることは重々承知しています。自分でも驚いています。
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「走りの疲れは走って抜こう 練習の締めにコレを: 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZZO54172740Z10C13A4000000/

自己流の限界を知る。

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最近、股関節周りにだるさを感じていて、厳しいランニングが続いていた。それなら休めばいいのだが、梅雨入り後を見越して走れる時に走っておこうと思い、結果的に連続出走になってしまっている。

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昨晩、いつものようにYoutubeをザッピングしていたら、為末大さんの「為末大学」というチャンネルが、ふと目に留まった。何気ない気持ちで見てみると「ラクに走るためには、色々な関節を柔らかくする必要はなくて、肩甲骨と股関節をある程度スムーズに動かせるようにしておけばいい」と言う。走りのプロフェッショナルが言うのだから説得力が違う。すぐに引き込まれた。
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特に「股関節の重要性と柔らかくするストレッチ」という放送回は、股関節に不安を抱えていた自分にとって目からウロコの内容だった。これまでは、股を広げて体を前に倒したりとか体育の授業でやるようなストレッチしかやってこなかったし、どんなストレッチをすればどう走りに直結するかも分からなかったので、あまり積極的にやってこなかった。だからこそ、「プロがやるストレッチってどんなんだろう」と、ワクワクしながら食い入るように画面を見つめた。
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すると、壁に手をついて片足ずつ振り子のように足を上げ下げしたりなど、そのシンプルさに少し拍子抜けしたが、プロが言うのだから間違いない。昨晩、そして今朝と、紹介されたいくつかのストレッチを素直に実行してランに備えた。
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その効果だろうか。いや、さすがに早すぎるだろうか。確実なことは言えないが、今日は足が軽く、股関節周りのだるさがゼロに近かったし、股関節に意識が向いたことで、いつもより足を前に出せる感覚があった。もちろん、今日はたまたま体が動いただけもしれないが、ここ最近にない感覚で走ることができたのは事実。間違いなく効果がありそうな気がするので、これからも続けてみようと思う。
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そして、確実に言えるのは、今まで自己流でやっていたストレッチは無意味に近かったということ。為末さんの動画は短距離と長距離の違いはあれど、走るための調整方法を学ぶための良いきっかけになりました。しかし私のようなド素人ランナーがプロの指導をタダで受けられるなんて、本当にすごい時代だなぁ。

シューズの進化に頼ってみる。

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これまでは、お手頃価格のシューズを履き潰しては買い替えるというのを繰り返していたのだが、去年の暮れ頃、初めて1万5000円ほどの自分にとっては高価なシューズを買った。というのも手に取った瞬間、「何だこのソールの厚みは…」と唸ってしまうほどの衝撃を受けてしまったからだ。実は購入後に知ったのだが、このシューズは陸連が禁止にするのしないだので世間を賑わせた「厚底シューズ」というやつで、ナイキのズームフライなんちゃらというなかなかの代物だったのだ。
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そんなこともつゆ知らず、ひとりの中年男が「なんかバウムクーヘンみたい」などと訳の分からないことを言って無邪気に手に取り、「なんかトランポリンに乗ってるみたい」と試し履きしながらはしゃいでいる。あの時、無表情を貫いていた店員さんは私のことをどう思っていただろうか。ちゃんと教えてくれればいいのに。いけず。
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ともあれ、私は偶然にも厚底シューズに出会い、大いに感動し、嫁の顔色、眉毛の位置、横顔などを細かく気にしながら、マークが外れた一瞬のスキをついて無事購入。すでに500km以上走っているのだが、走り心地は最高というか新感覚である。
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「いやさ、アンタ今さら何言ってんの」と言われそうだが、なんというか、常に程よくバネの利いたゴムの上を、ビヨンビヨンと走っているような感じで、調子がいい時は飛ぶような感覚で颯爽と走れる(傍から見たらただの必死なおじさん)。これまで履いてきたシューズも安定した走り心地で好きだったが、このシューズはまったく別次元のクッション性なのだ。
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さらに言うならば、私がこのシューズを履いているのではなく、このシューズが私を乗せて運んでくれているような感覚。そう、「乗り物に乗っている」ような気さえしてくるのだ(さすがに言い過ぎか)。しかも、さらにこの上のランクのシューズがあるというから驚きである。
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このシューズに出会うまでは、「これでいっか。なんかデザインがシュッとしててカッコいいから」とか、そんな感じで至って適当に選んできたが、そんな選び方は即刻やめるべきだし、お金をかけることは"悪"という固定観念もすぐさま川に投げ捨てるべきだと思った。そして、インスタを始めてから、オシャレランナーさんをあちこちで見かける。そろそろ暑さも厳しくなってくる。ここらで物欲を満たしてモチベーションを上げるしかない。まだか、給付金。

6歳の成長に張り合う39歳。

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今日は長男の小学校の入学式。「入学おめでとう」と言ったら嬉しそうに笑った。

そして「これからがんばろうな」と言ったら「うん」とうなずいた。

その顔を見て、息子に負けないように自分も成長していかねばと思い、

今日もサボり虫に負けず走ることができました。

息子よ、ありがとう。

全力で、ゆっくり走ってみる。

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昨日、あれだけ私は朝ラン派ですとか断言しておきながら、今朝は走れなかった。すると、いつものサボり虫が「休むこともトレーニングのうちだって金哲彦さんが言ってたよ」と囁いてきたので、「いつもよりゆっくり走ってみるのはどう?」と提案した。すると、「もしかしてLSDってやつ?」と、前のめりになってきた。こいつは横文字に滅法弱いのだ。「そう。インスタで見たけど、カッコいいランナーさんも夏場はLSDも取り入れながら調整するって言ってた」と追い打ちをかけると、まんまと乗り気になってきた。単純なヤツである。
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と、いつもの一人芝居を続けていても埒が明かないので、今一度「LSDとは何ぞ」と思って検索してみると、いかがわしいドラッグが出てきたりしてやや手間取ったが「1km8分以上かけて長い距離を走る」とあった。なるほど簡単じゃないか。「今日の目標、10キロを1km8分で走ること」。そう決めて走りはじめた。
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しかし、ゆっくり走るのは簡単そうに思えてなかなかむずかしい。最初の1kmのタイムは「6分3秒」。「いや、いつもと一緒!もっとハエが止まるくらいのペースで!」と心の中で叫ぶのだが、なかなか7分を超えてこない。そのうちに、みるみる体力が奪われていく。今日は日陰を走ろうといつもの川沿いを避けたのだが、日差しがモロに当たる道を走っていると、気が遠くなってくる。なんだか砂漠をラクダと一緒に歩いているような気さえしてきた。早く帰りたい。
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「いや、LSDキツイ!思ってたんと違う!」とサボり虫が騒ぎ始めたが時すでに遅し。とにかく地道に歩を進めるしかないが、確かにサボり虫が言うように、長い距離を走るのでも、早めのペースで爽快に駆け抜けたほうがラクな気がする。時折、「なんで昼にカレー食べちゃったんだ」とか後悔したりしなかったりしつつ、なんとか10kmを走り終えた。
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結果は目標タイムの1km8分とは大きくかけ離れた「1kmペース6分51秒」。7km地点で7分19秒の好タイムが出たが、"惨敗"である。まだまだ修行が足りない。しかし、発見もたくさんあった。あえてゆっくり走ることで、体力だけでなく精神力も普段より多めに鍛えられるような気がした。それに、野球選手もあえて遅いボールを打ってフォームを固めるって言うけど、そういうのもなんとなく分かる気がする(あくまで気がするだけかも)。そして、5kmを日課にしている自分にとって、「ゆっくり走ればいいじゃん」と決めれば、長い距離を走るきっかけになるかもしれない。
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とにもかくにも、いつも川沿い5kmが一辺倒だった自分の幅が少し広がったことは大きな収穫でした。LSD、また今度やってみます。