KEEP RUN DIARY

ランニングを続けるためのあらゆるコツについて日々考察する日記

酒を飲みながら続けるダイエットなんて、しないほうがマシだ。

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ダイエットを途中で諦めてしまう方々に共通していることがある。それは、結果が出ないことによるモチベーションの低下である。

 

食事の量をコントロールする。ランニングなどの運動をする。もちろん、これらの取り組みには一定の効果がある。5kg程度のマイナスなら、1ヵ月程度で達成する人も少なくないと思う。

 

「お、いいじゃん。やればできるじゃん。」


自分が本気になればダイエットなんて余裕だったんや!そんな達成感や優越感に浸りながら、ダイエットを続けていく。ここに大きな落とし穴がある。

 

5kg程度までは面白いように落ちていった体重が、ある一定のところから減らなくなるのだ。おかしい。こんなはずはない。もちろん、もっと体重を落としたいのは山々だが、これ以上、食事量を減らしたり、激しい運動をするのは無理だ。脳がそう言っている。何よりそんな人生なんて楽しくない。そこまで必死になりたくない。

 

一旦、ストップ!

 

結果、5~7kgのダイエットの成功に落ち着く。こんなパターンが多いのだ。

 

さらに、このような成功体験をしたことで、「仮に太ってしまったとしても、いつでも痩せられる」という変な自信が芽生えてしまい、5~7kg減、その後、2~4kg増、結果、微量のダイエットに成功という、自己満足の結果に陥ることも少なくない。

 

「自分はね、太ったり痩せたりを繰り返せるんだよ。言わば、自由自在に体重をコントロールできる。すごくないかい?」などと、気心の知れた友人に自慢したところで、同調を得ることもできない。

 

ならば、どうすればよいのか。答えがひとつだけある。それは、思い切って酒をやめてみることだ。

 

酒は楽しいが太る。太ってしまうのは酒のせいではなくて、酒を飲む時に食べるつまみがいけないのだ。そんな説も巷に出回っているが大嘘だ。断言できる。一切飲むなとは言わない。家での晩酌をやめるのだ。ビールはもちろん、太りにくいとされている焼酎やウイスキーなどのたぐいも、毎日飲むことをやめる。これだけで、面白いようにダイエットの結果がついてくる。

 

かく言う私(39歳・在宅デスクワーク)も、毎朝5kmのランニングを欠かさず、食事量も減らすことで、一時は80kgあった体重を、70kgほどで維持できるようにはなった。

 

だが、ここが限界だった。なぜなら明くる日も明くる日も晩酌をやめなかったから。「発泡酒ならいいじゃん」と、クリアアサヒあたりの350ml缶を3本ほど空けたら、「蒸留酒ならいいんでしょ」と、トリスらへんのハイボール350ml缶を1本。ここに、ワインを飲んだり、芋焼酎の水割りを自分で拵えて飲んだり。

 

いいんだよ、毎日走ってるから。飲むために走る。走るために飲む。生きるために走り、また飲む。そんな人生って素敵やん。本気でそう思っていた。

 

しかし、あるタイミングで酒をパタリとやめた。やめ方は色々な方法があるが、私は本を読むことでやめることができた。その本とは、町田康さんの禁酒エッセイ『しらふで生きる~大酒飲みの決断~』。かつては大酒飲みだった町田康さんが、禁酒に成功するに至った考え方について書かれている良書だ。

 

 

一番響いたのは「人生は楽しいものではない」ということ。それまでの自分は「人生は楽しむもの」と考えていた。だからこそ、飲酒が必要だった。だが、この本には「私たちに幸福になる権利はない」「幸福になるのが当たり前、みんな幸福なのに自分はそうじゃないと、他人と自分を比べながら生きていたらしんどい」と書かれている。確かにそうだ。なぜ私は、明くる日も明くる日も幸福を求め、酒を飲めば楽しいことが起きるのではないか、と期待していたのだろう。この考え方こそが、断酒を初めて最初の1~2週間の心の拠り所になった。

 

すると、これ以上は減らないと思われていた体重が、断酒から1ヵ月ほどで少しずつ減っていくのが分かった。もちろんランニングは続けていたし、食事量もある程度はコントロールしていた。

 

71kg、70kg、69kg。

 

体重計に乗るたびに結果がついてくる。結果が出るからダイエットが楽しくなる。すると「ちょっと筋トレをやってみようかしら」という気にさえなってくる。筋トレは以前は避けていたのだ。どうせやったところで、結果なんてたかが知れていると思っていたし、なんだかよく分からないがやる気が起きなかったのだ。なかなか踏み出せなかった一歩を踏み出せたのも、断酒により体と心が軽くなった効果か。「せっかく酒をやめたんだから、何かを始めたい」と思い始めたのも事実だ。

 

腕立て、腹筋、背筋、スクワット。

 

68kg、67kg、66kg…。

 

さらには、体脂肪もみるみるうちに落ちていく。そのうちに、ひょうたんのようにだらしなかった下腹がへこみ、腹筋らしきものが浮き上がってきた。断酒から6ヵ月ほどで、体重65kg・体脂肪13%という結果が数字として表れた。

 

信じられない。だって、酒をやめただけだぜ。

 

酒をやめることには大きな価値がある。「結果がでないからダイエットが続かない」そんな人にとって断酒は本当にオススメだ。ランニングをしたり、食事量をコントロールしているのに、断酒をしないなんて、本当にもったいないのである。

 

だが、金輪際、酒を一滴も飲まないと決めたわけではない。祝いの席や友人同士で集まる時には飲むと思う。だが、毎晩のように晩酌を重ねるなんて愚かなことは、これからもしないだろう。

 

ダイエットをする上で、目に見える結果をモチベーションにしたい。新しい自分に出会うきっかけをつかみたい。そんな方にとって、『しらふで生きる~大酒飲みの決断~』は、本当におすすめの本である。